ゾイドファンに高い支持を受ける小学館スペシャル「ゾイドバトルストーリー」
中央大陸戦争を描いた1巻から4巻までと、大陸間戦争を途中まで描いた「新」の計5冊がある。
1巻では、ゴジュラス無敵時代、そしてトーマスと帝国コマンド”エコー”の知略を尽くした戦いを
2巻では、兄の仇の「E」のマークのウルトラを探すトビーと、立ち向かうエリクソンの宿命の戦いを
3巻では、大統領を守る親衛隊ローザと大統領暗殺を狙うコマンド・フランツの執念の戦いを
4巻では、父を超える科学者を目指すマイケルと共和国の偉大な科学者チェスター教授の心の交流を
そして新では、共和国兵士クルーガ中尉が、暗黒軍のギル・ベイダーに挑む壮絶な戦いを描いた。
この5冊では残念ながら描ききれなかった戦いの歴史も多い。
ご存知の方も多いと思うが、現ファンブックのストーリーが現コロコロコミック連載の
バトルストーリー(以後バトスト)を元に構成されているのと同じく、
旧時代のバトストも当時の小学館刊行の雑誌を元に構成されている。
小学館のバトストはトミー公式のストーリーとはパラレル扱いになり、
大まかな歴史を同じくするも、登場人物や登場ゾイドに大きな違いがある。
同じ作品で漫画とアニメと小説で細部が異なる現象と同じような感じだ。
あえて言うならトミー(現タカラトミー)から発表されるストーリーが「正史」であり、
それ以外の、アニメや漫画、雑誌、ゲーム、他社製品の解説文は全てパラレルである。
しかし、作品を二次的に楽しむに当たって、ストーリーが正しいか否かは大きな問題ではない。
魅力的なストーリーは、時として理屈を押しのけ、ファンの心の中に深く刻まれるからだ。
そう、バトストには数々の魅力的なストーリーがまだまだ埋もれているのだ。
未掲載の話に登場する改造ゾイドの1部「ゴジュラスボルガ」や「デスウイング」などは、
画像のみ新バトストに掲載されているので、これらのゾイドの存在を不思議に思った読者も多いだろう。
ファンの間でも時々話題に上る「キングゴジュラス」や「ギルザウラー」など、
魅力的なゾイドが多数歴史の影に埋もれているのは残念で仕方がない。
ここでは「新バトスト2」を一歩進めて「真バトスト」を望む声を促すために、
改めて5冊のバトストと、その間に埋もれた未だ語られぬストーリーを
時空列に添って順次ダイジェストで紹介してみたいと思う。
それでは歴史を繋ぐ作業・・・ミッシングリンクにしばらくお付き合いいただきたい。
ゾイド星、中央大陸の主要な地名を書き込んだ全体図。東側には共和国の、西側は帝国の首都がある。
解説では刻々と移り変わる勢力圏と戦いの舞台となった地名及び場所を極力表示。
■バトルストーリーダイジェスト版
主な戦いをダイジェストでレビュー。ベースとなったストーリーも補足し、余談として追記します。
■掲載画像解説
5冊のバトストに掲載された画像をレビュー。5冊を所有している人向けの解説です。
■登場ゾイド解説
バトストに登場する数々のゾイドを解説。改造ゾイドは名前が判明している機体は極力解説していきます。
エピソードの捕捉なども入ります。青は共和国、赤は帝国側ゾイド。
バトストはゾイド星の戦史研究家「R・S・トーマス」の記録を、宇宙言語学者「ヘーゼルハースト博士」が、
日本語に翻訳した書籍と言う設定になっている。このコーナーでは、当時の原本を元にし、
筆者が新しい視点で再編集した「新訳バトスト」とでも言う設定と理解してもらえれば幸いである。
したがって、すべての文章には筆者独自の見解が多々入るので、ご了承願いたい。