ゾイド星中央大陸では、ヘリック共和国とゼネバス帝国に分かれ、果てしない戦いが繰り広げられていた・・・
大陸の中央を縦に、まるで国境線をあらわすかのように険しい山岳地帯、中央山脈が連なっている。
この中央山脈を境に、東側はヘリック共和国、西側はゼネバス帝国の領土となっている。
■ZAC1900年代 戦闘機械獣誕生
ゾイド星に棲む金属生命体を戦闘用に改造したものを戦闘機械獣「ゾイド」と呼ぶ。
当初のトミー版ストーリーでは、地球人の手によって改造されたものが「メカ生体ゾイド」であったが、
バトストにはゾイド星の地球人に関する記述は一切無い。共通する人物もヘリックとゼネバスのみで、
ZAC2030年以前のストーリーは未だ語られていない。(ZACは「ザク」と呼称する)
そのため、ここでは当時のトミー版のストーリーをベースにまとめる事とする。
尚、ZAC元年は金属生命体がはじめて人の手により養殖され、ゾイドとして誕生した年、
つまり文化が急速に発達して行った、この年を遡ってZAC元年としている。
■ZAC19XX 中央大陸部族間紛争時代
中央大陸では当初、国と言う概念はなく、少数の部族同士が寄り集まってテリトリーを形成していた。
そして、部族間同士で利害関係から争いが起こり、それは大きなうねりとなって中央大陸全土に拡散して行った。
気候の変動が激しく、劣悪な環境の多い西側の部族は、穏やかで作物が豊かな東側に侵攻を繰り返していた、
やがて、西側はガイロス、東側はヘリックをリーダーとし、ドロ沼の戦いに突入して行った。
■ZAC1957 ヘリック共和国誕生
果てしない戦いに共倒れの危機を感じたヘリックは、外敵の介入を持って部族間の意志統一を図り、
力を合わせて第3勢力を撃退、紛争を集結させる事に成功する。この功績によりヘリックが中央大陸の王となり、
ヘリック共和国が誕生。国王亡き後息子であるヘリック2世が王政を廃止、初代大統領となる。
■ZAC1978 ゼネバス帝国建国
ヘリック二世の腹違いの弟であるゼネバスは、共和国軍最高司令官の職に就いていた。
日々第3勢力の存在を危惧していたゼネバスは声高に軍備増強を叫び、快く思わない保守派と次第に対立するようになる。
父ヘリック王の陰謀を知らぬヘリック二世は、ゼネバスの意見を聞きつつも和平と繁栄の道を頑なに進んでいた。
ゼネバスはやがて軍高官を中心とした改革派と名乗るグループの筆頭として次第に勢力を強めていく、
危機を感じた保守派と議会は、陰謀を画策し、ゼネバスと共に改革派の議会追放に成功する。
議会を追われ、この事に嘆いた母の自殺をきっかけに、ゼネバスは改革派を引き連れ共和国を去って行った。
間もなく、自ら皇帝を名乗るゼネバスが、中央大陸の西の果てにゼネバス帝国を建国する。
■ZAC1980 中央大陸戦争勃発
中央山脈を挟み、小競り合いを繰り返していた両国は、中央山脈の東側に流れるバーナム川を挟んで対立し、
遂に全面対決に陥る。この戦いが長きに渡る中央大陸戦争の事実上のはじまりとなった。
戦闘機械獣であるゾイドは戦いの切り札であり、両軍ともにそれほど多くは戦いに参加出来なかった。
この頃は歩兵やそれに付随する車両等による銃撃戦が主であり、ゾイド同士の全面対決はこれがはじめてとなる。
両軍は未だ部族間紛争時代のゾイドを主力とし、同一機種同士の戦いもそれほどめずらしくはなかった。
しかし次第にゼネバス帝国では独自のゾイドが誕生し始め、両軍の近代化は加速度的に進んでいく。
■ZAC2029 共和国ゾイド近代化
ゼネバス帝国との全面戦争に突入した共和国では、生産性と、効率化を図るため、数ある試作ゾイド、
少数生産ゾイドの中から量産に適したゾイドが選りすぐられ、共和国軍正式ゾイドとして就役する。
この時代に、主力ゾイドとしてゴジュラスも誕生していたが、扱いにくく、真の実力を発揮できないでいた。
兵士達は扱い易いビガザウロやマンモスを好み、ゴジュラスは一部のエースのみに与えられた。
一方、ゼネバス帝国では独自のゾイド部隊編成に国力のほとんどを注いでおり、急速に力を付けて行った。
待望の大型ゾイドであるレッドホーンもこの年に誕生し、共和国小型ゾイドはその脅威に晒される事となる。
<登場ゾイド解説>
中央大陸で勃発した部族間の争いで、各部族はメカ生体を戦闘機械獣として改造し、戦争を繰り返していた。
ヘリック王の計略により戦いは集結し、統一国家であるヘリック共和国が誕生した。
その時代から、ゼネバス帝国との開戦初期に活躍していたバトスト未登場の初期ゾイドを紹介。
「RMZ-01 ガリウス」 最も初期に就役した肉食獣型ゾイド。ゴドスの登場で開戦時には
すでに第一線を退き、以後作業機や練習機として使用されていた。
「RMZ-02 グライドラー」 初の空戦ゾイド。高速戦闘には向いていなかったため、
ペガサロスの就役後は連絡、偵察、練習機として活躍した。
「RMZ-03 エレファンタス」 初期の電子戦ゾイド、開戦時にはすでに第一線を退いており、
以後は探査、連絡、練習機として使用される。
「RMZ-05 アクアドン」 史上初の水陸両用ゾイド。
フロレシオスの就役により第一線を退き、輸送や連絡の任務に就いた。
「RMZ-06 ゴルゴドス」 エレファンタスの後継機種となる電子戦ゾイド。
小型ながら高性能で、以後この機体をベースにいくつかの発展型機が開発される。
「RMZ-07 ハイドッカー」 戦場対応力の高さから輸送、作業用ゾイドとして活躍。
基本フレームをエレファンタスやゴルゴドスと共通にし、生産性向上を図った。
「RMZ-08 ペガサロス」 初期の本格的な空中戦闘ゾイド。
共和国空軍の主力ゾイドとして活躍。垂直離着陸能力はなく、滑走路を必要とする。
「RMZ-09 スパイカー」 初の格闘戦用武器を持つ陸戦ゾイド。
ジャングル戦や市街戦で活躍した。飛行能力はない。
「RBOZ-002 マンモス」 対ゾイド戦を意識した重武装の大型ゾイド。
圧倒的なパワーと格闘能力で中央大陸戦争中盤まで活躍した。
<登場ゾイド解説>
共和国、帝国には正式ゾイドとして採用された機種以外に、各戦場でより理想的な運用をするための、
または新型ゾイド開発のデータ収集のため、様々な試作、改造ゾイドが誕生している。
ここではそれらの非採用ゾイドや改造ゾイドをざっと解説してみよう。
「ギラス」 低空を滑るように飛行するトンボ型のゾイド。量産化には至らなかった。
「ビッグモス」 蛾(ガ)型ゾイド。グライドラーに似た本体に巨大な羽を装備する。羽には孔雀のような美しい模様がある。
「スーパードラゴン」 口から火を噴く大型ゾイド。ビガザウロクラスだが、車輪走行する特異な形状をしている。
「クローハンド」 恐竜型と昆虫型が融合した特殊ゾイド。二足歩行し、巨大な爪で攻撃する。
「ギャノン」 水陸両用のゾイドだが、何型だかは不明。アクアドンのようなタンクを装備し、多数の機関砲で武装している。
「トライクルーザー」 3つの車輪で走行する特殊ゾイド。3輪バイクに寄生した様な禍々しい外見をしている。
「スカウト・ウォーカー」 高速で疾走する恐竜型ゾイド。バトルローバーに近いコンセプトの超小型ゾイド。
「ホッパーリザード」 草原を素早く移動、地をはい飛び跳ねたりもする。飛びトカゲ型ゾイド。
「ワティウ」 背中に巨大なトゲ状のレーダーを装備した小型ゾイド。何型かは不明で、野生体は丘などでじっとしているらしい。
「オルガ」 シャチ型ゾイド。尾びれの一撃は強力だったらしい。中型ゾイドくらいの大きさがある。
「フォーマルハウト」 小型の魚型ゾイド。尾ビレを左右に振って進む。マリンフィッシャーの名で呼ばれた事もある。
「ギィウィー」 羽はあるが飛行能力はない鳥型ゾイド。長いくちばしで敵を貫く攻撃が得意。
「スカイアパッチ」 巨大な回転ローターを装備したヘリ型ゾイド。フライングアパッチという名で呼ばれた事もある。
「イグアナトータス」 円形の甲羅を持つ海亀型ゾイド。甲羅は泳ぎに合わせてくるくると回転する。
「ネレーダー」 中型の魚型ゾイド。深海まで潜る事が出来る。外見はフォーマルハウトに酷似している。
「ダブルデッカー」 コックピットが2つある2足恐竜型ゾイド、上に砲手が、下に操縦手が乗り込む。
「トライゴラス」 3つの首と尻尾を持つ4つ足の特殊ゾイド。ハイドッカーサイズで偵察に威力を発揮。
「ゾイドギドラス」 トライゴラスの仲間で巨大な羽と3つの首を持つ。2足歩行タイプだが飛行も可能。
「ダイオード」 高性能の電子回路を装備した特殊ゾイド。無限軌道で走行する中型ゾイドだ。
「エリゴーン」 グランチュラの強化タイプ。レーダー連動のレーザー砲が強力で専用の砲手が乗り込む。
「デンジャラス」 無数のトゲに包まれた針モグラ型ゾイド。危険が迫ると背中のトゲミサイルを発射する。
「ハイパータランチュラ」 グランチュラが進化したタイプ。足が3倍に伸び、狭い岩場も高速で移動する。
「クモガニ」 超小型特殊ゾイド。体の下に強力な機関砲を装備している。
「アトラス」 長い牙で土を掘って進むクワガタ型ゾイド。飛行能力はないらしい。
「アンタレス」 ガイサックとは異なる野生体をベースとしたサソリ型ゾイド。ガイサックよりは一回り大きい。
「タンクアント」 機体後部のタンクにエネルギーを貯める事が出来る中型のアリ型ゾイド。
「マニュプレーター」 大きな作業用アームを装備したクモ型の工作ゾイド。場所を選ばず作業できる。
「エレクトリガル」 首の回りの巨大なヒレで太陽エネルギーを吸収し、他のゾイドに送る補給用の2足歩行ゾイド。
「ドラゴンフライ」 小型のトンボ型ゾイド。かなりの派生型があり少量生産された。グライダーのように飛ぶ。
「スカラベラ」 大きな爪とレーザー砲で地中を掘り進む昆虫型特殊ゾイド。巨大な丸い本体が特徴。
「ジェットマグマ」 機体前面に装備された巨大なドリルで地中を高速移動する昆虫型ゾイド。
「ラウンドファン」 4つの回転翼を持つ蝶型ゾイド。4つのフック付きアンカーを装備し、小型ゾイドの空輸が可能。
「マイティ・マンティス」 飛行能力を与えられた改造スパイカー。巨大な翼とジェットエンジンで飛行する。
「オーニソプト」 グライドラーを改造し、主翼を強化して長距離間飛行を実現させた機体。
「フェニックス2」 ゴドスに飛行能力を持たせた機体。巨大な翼を装備し小回りが利く。
「ダンボ」 エレファンタスの短距離飛行実験タイプ。胴体脇に巨大な翼を装備し、砂漠を滑走する。
「ホッピングワラビー」 ゴドスの武装と装甲を強化したタイプ。砂漠戦用に足回りを強化した。
「レーダース」 エリマキ型のアンテナで敵を探知する改造ガリウス。脚部を改造して高速移動も可能。
「バンパレラ」 コウモリ型のゾイドで、レーダーを装備した夜間戦闘型。帝国では貴重な空中戦力。