- 進化の歴史 - 『 4 』
≪14≫完全新作アニメ、キャラクター人気・・・
 ■2005年・・・3月で終了するフューザーズの後番組として、
国内向けの完全新作アニメ「機獣創世記ゾイドジェネシス」が放送決定。
そして3月31日、GZ(ジェネシスゾイド)のナンバーを与えられた11種が発売。
ファン待望の復活となる旧ゾイド、カノンフォートやハウンドソルジャー、
ワイツウルフに新武装を施し、マイナーチェンジしたソードウルフ、
レイズタイガーで省略されていたギミックを復活させたソウルタイガー、
そして完全新型となる主人公ルージのゾイド、ムラサメ(村雨)ライガーが登場。
また、新たなカテゴリーとして骨格フレームに、
軟質ゴムの装甲をかぶせ、発光と音声ギミックを内蔵
動力無しの可動モデル、バイオゾイドシリーズも登場。
主人公のライバルであるザイリンが操る第1弾の
バイオメガラプトルは今までのゾイドとは大きく異る
デザインとギミックで話題となりました。
久々の完全新型ゾイド
ムラサメライガー
 ■4月10日・・・待望の新作アニメ、ゾイドジェネシスが放送開始。
今までの作品とは舞台設定を大きく異にし、中世のような世界設定で、
辺境の村に生まれ育った少年ルージが、侵略してくる敵国と戦い、
各地の反抗勢力をまとめ、やがては大軍勢のリーダーとして決起。
人々と力を合わせて独裁者に立ち向かうという王道ストーリーで展開。
新企画のバイオゾイド
バイオメガラプトル
主人公機のムラサメライガーは「エヴォルト」と言われる外装の再構成機能を持ち、
高速戦闘重視の「ハヤテ(疾風)ライガー」、重撃戦闘用の「ムゲン(無限)ライガー」に
それぞれ変化すると言う、いわゆるフォームチェンジを行う設定のゾイドとなりました。
同時期には電撃ホビーマガジンにてジェネシスの世界設定を使ったオリジナル小説、
「ゾイドジェネレイションズ」がスタート。主人公の少女ミドリの愛機
「ライガーブルー・ソウガ(蒼牙)」をはじめ、ストーリーに登場するゾイドが
イベントや誌上にて限定販売される等、新たな展開が起きました。
ジェネレイションズ登場ゾイド
余談:後にソウガの専用CAS、具足(明光)が初の公式ガレージキットとして発売されました。
アニメでは世の中のブームである「萌え」の要素をもったヒロインキャラ、
レミィ&コトナが独自にフィーチャーされ、後期ED曲を担当、更には
オリジナルCDアルバムやフィギュアのガレージキット、キャラグッズ販売と、
今までのゾイドとはベクトルの異なる新分野を開拓していきました。
キットではファン待望の復活となった超大型ゾイド「ギルドラゴン」をはじめ、
300円と言う低価格で、ブラインドボックス仕様のBLOX「バラッツ」シリーズ、
歩行後しばらくして立ち止まり、アクションと共に発光と音声ギミックで咆える、
ムラサメライガーの最終形態、ムゲンライガー等、発売点数は過去最多となり、
復刻ゾイドや限定ゾイドも多数発売され、非常に充実した年となりました。
発光、咆哮、2アクションと
ギミック万歳のムゲンライガー
また、第1回から実に4年ぶりにZポイントキャンペーンも行われ、
特製カラーのムラサメライガーやレドラーがプレゼントされました。
この年の秋にはアーケードマシン第2弾となる「ゾイドカードコロシアム」がリリース
これはいわゆるムシキングのブームから始まったカードスキャン型のゲームで
多様なモチーフとアニメキャラクターを持つゾイドとは相性が良く。
バージョンアップを繰り返し、シリーズとして定着するヒット商品となりました。
ジェネシスのヒロイン
レ・ミィのフィギュア
余談:ゾイドカードはキャンペーンとしてコカ・コーラ社とタイアップし、
ペットボトル飲料に特製カードが付属する等、ゾイドの知名度アップに貢献しました。
 ■2006年・・・ゾイドジェネシスは予定だった1年間の放送を終了。
放送終了後も初のキャラクターソングCDを同梱した「ランスタッグブレイク」や、
ムラサメライガーを動力無しのフル可動キット化する公式ガレージキット、
ゾイドアニメ初の総集編DVDが発売される等、関連商品のリリースは続きました。
しかしゾイドのアニメシリーズはまたしても途切れてしまい、
ファンは再びゾイドの未来に対する言い知れぬ不安をかき立てられる事になります。
≪15≫業界激震、合併の余波・・・
 ■2006年4月・・・新たな企画のBLOXシリーズ「NEOBLOX」シリーズがスタート。
可動を重視した3種の新型コアブロック、四肢フレームに装甲と武装を取り付ける規格で、
新たにNB(ネオブロックス)ナンバーを与えられた6種が同時発売。
更に過去の名機をNEOBLOX規格で商品化する、
レジェンドシリーズとして、「LBゴジュラス」と、
ジェネシスから「LBムラサメライガー」が発売。
これは前年のゲームソフト販促キットとして作られた、
「シールドライガーBLOX」の流れを昇華させたシリーズで、
旧時代のファンからも支持され、ゴジュラスにつづき。
かつてのゼネバス帝国ゾイドの代表格である、
アイアンコングやレッドホーンもLB化されました。
合体NEOBLOX
バイトグリフォン
しかし時を同じくして、業界を激震させる老舗玩具会社の大型合併が相次ぎ、
この年の3月、トミーはリカちゃんやチョロQでおなじみのタカラと合併、
新たに会社名をタカラトミーとし、コンテンツの統合、整理が繰り返されます。
ファンの評価も高い、
LBアイアンコングMK-2
ファンの間ではこの流れでゾイドが整理されるのでは?と言う噂が流れます。
実はこの時期、その噂は本当になりかかっていて、ゾイドは合併の影響で
担当が次々に変わり、その度に企画も二転三転、新商品の開発も予定より
大幅にずれ込み、遂にはシリーズ終了直前まで追い詰められていました。
合併の影響をモロに受けたのがNEOBLOXシリーズで、
本来ならばNBとLBの新作をいくつかリリースする予定でしたが、
年末発売のLBレッドホーンでシリーズ終了となってしまいます。
キャンペーン品となった
LBダークホーン
ところが本家とは別の所で、ゾイドは新たな光を得ようとしていました。
プラモデルやフィギュアを製作、販売していた株式会社寿屋(コトブキヤ)は、
スーパーロボット大戦とアーマードコアと言う2大ブランドをプラモデルで展開していました。
この2つはゲームを母体としたコンテンツであり、コトブキヤとしては、
ゲームを母体とせず、ある程度知名度もあり、他社に負けないブランド力を持つ、
既存のキャラクターを使い、新たなプラモデルシリーズを立ち上げようと模索、
この条件を全て満たしていたのが、他ならぬゾイドだったのです。
こうしてHMM(ハイエンドマスターモデル)と名付けられたゾイドのフル可動キットが誕生、
11月に発売された第1弾となるシールドライガーは、本家と同じ72分の1スケールで
その完成度の高さ、動物型モチーフのメカプラモと言う斬新さもあり、ゾイドファンのみならず、
他作品のファンをも取り込み、ヒット商品として以後シリーズが続いていく事になります。
新たなブランドとなった
HMMシールドライガー
余談:HMMが立ち上がった背景には、合併の影響が少なからずありました。
本家ゾイドは7月に再初期のゾイドであるガリウスを含めた5体のゼンマイゾイドセット、
「ヘリックメモリアルボックス」を発売、ここから旧ゾイド復刻の流れが続いていきます。
しかしこの2006年はトミーとタカラの合併の影響からか、
完全新規の動力ゾイドがまったく発売しないという、
長いゾイドの歴史の中でも例のない年になってしまいました・・・
≪16≫小休止、新たなる展開へ・・・
 ■2007年はゾイドにとって仕切り直しの1年となりました。
正規のゾイドは復刻ゾイドのみとなり、継続するシリーズはなにもありませんでした。
代わりにコトブキヤのHMMは絶好調で、ほぼ2ヶ月に1体の早いペースで新作をリリース、
年末には待望の新世代ゾイド、ブレードライガーとジェノザウラーが発売、
人気シリーズとしてファンの間に確実に定着していきました。
一方トミーでは初のPCオンラインゲームを展開しますが、
完成度の低さが逆に話題になるほどの内容で、早期に終了してしまいます。
この時、会員限定ゾイドとしてシールドライガーコマンダー仕様を販売。
第2弾も企画されていたようでしたが、無論実現には至りませんでした。
年末には新型動力ユニットを核とし、パーツ交換でギミックを変更できる、
ミニチュア駆動の「ゾイドエヴォドライブ」シリーズ4種が同時リリース。
しかし、10センチに満たないゾイドが1体6500円と割高感は否めず、
次弾のグリーンホーン&ジ・オーガは発売中止になってしまいます。
会員限定販売ゾイド
シールドライガー
コマンダー仕様
そんな中、復刻ゾイドの流れを組む「月刊ゾイドグラフィックス」が発売。
これはゾイドの資料をまとめた小冊子と旧時代の復刻ゾイドとのセットで、
毎号ボーナスパーツも付属するというものでした。(書籍扱いではなく玩具流通)
短命に終わってしまった
エヴォドライブシリーズ
当初は手探りで発売した月刊ゾイドグラフィックスでしたが、第3号となるマルダーは
売り上げ好調で急遽増産が決定。その結果、本来は半年(6号)で終了の予定が
増刊2冊も合わせて計12商品のリリースにまで引き伸ばされました。
余談:増刊扱いのガン・ギャラドも売れ行き好調で、最終巻は小型ゾイドの
予定が、記念として急遽中型ゼンマイゾイドのライジャーに変更される等、
未復刻ゾイドの人気は高く、ファンの注目度も相当なものでした。
キットと冊子がセットの
月刊ゾイドグラフィックス
≪17≫生誕25周年へ向けて・・・
 ■2008年・・・ゾイドが誕生して25周年を迎えました。
記念企画として旧ゾイドと新ゾイドの歴史の狭間を埋める壮大なシリーズ、
「リバースセンチュリー」が発表され、ファン待望の復刻となるキングゴジュラスや、
ギルベイダー、新技術を盛り込んだ改良ゾイドや、完全新規のゾイドも発表、
公式サイトではジオラマフォトストーリー、いわゆるバトストも掲載され、
続々と明かされる新たな情報にファンは一喜一憂しました。
また、2009年のゾイドアニメ放送開始10周年に向け、
記念商品のシールドライガーバン仕様、アイアンコングシュバルツ仕様が
アニメ(クラシック)の名場面を収めた特製DVD付きで発売。
過去に放送したゾイドのアニメ4作品を扱ったムックも待望の発売と、
生誕25周年と連動し、多くの商品がリリースされました。
完全新規のヴァルガは
ゼンマイ動力で前進し
丸くなり転がる
9月にはお菓子メーカーのカバヤが旧時代以来およそ18年ぶりに参戦。
ゼンマイ歩行するディフォルメタイプの大型ゾイド4種が食玩で発売され、
翌年7月には、コカ・コーラが再びペットボトル飲料のおまけとして
新規造形のミニフィギュアストラップ全8種をリリース、
多方面でゾイドのアニバーサーリーイヤーを盛り上げる動きがありました。
アニメ放送10周年記念の
シュバルツ仕様コング
限定販売された
モルガ暗黒軍仕様
余談:リバースセンチュリーではイベント限定ゾイドとして、
旧ゼネバス帝国ゾイドを暗黒軍仕様で発売。こちらもシリーズ化しました。
≪18≫値段高騰、二度目の終焉・・・
 ■2009年・・・リバースセンチュリーはネット限定のゾイドや、
外部のクリエーターがデザイン協力した武器満載のエクスグランチュラ、
レッドホーンに新規パーツを追加したクリムゾンホーンを発売する等、
新旧両世代のファンが楽しめる傑作ゾイドを引き続きリリースしました。
ところが、原油高騰と海外工場のコスト増加、完全にマニア向けと
割り切った高額の価格設定が裏目に出てしまい、個々の商品の
売り上げの差が激しくなり、ヴァルガ改良型が発売中止になる頃、
シリーズ打ち切りと共に、ゾイド自体の展開終了が決定してしまいます。
レッドホーンの強化型
クリムゾンホーン
通常販売商品は3月のガルタイガーGC、その後のイベント限定商品は、
7月のディメトロドン暗黒軍仕様の発売を最後にゾイドは販売終了。
10年続いた新世代ゾイドシリーズの幕を下ろす形となりました・・・
多数の武器が付属した
エクスグランチュラ
余談:2009年でタカラトミーのゾイドは展開終了となりましたが、
直営のネットショップやイベント等で在庫が販売される事がありました。